風火(かざび)のこと

2023年8月27日(日)晴れ

毛原では毎年9月1日前後の日曜日に「風火(かざび)」という行事がある。

 

集落の上にある大岩神社でマントウを焚きます

 

氏神の大岩神社にマントウという護摩木を持ち寄って焚き、本殿と横の斜面にある祠などをお参りして、般若心経を唱和する。

 

マントウは、薪を稲ワラで束ねて、ナンテンの葉を添える。各世帯で用意するので、うちは折れた柿木の太めの枝と、お隣の庭で切らせてもらったナンテンの葉を使った。薪も望ましい木の種類があるのか、こんど聞いてみよう。

 

マントウ(うちの分ではありません)

 

自治会長さんによると、かつては9月1日にやっていて、豊作祈願、害虫防除、雨乞いといった意味合いがあるらしい。

 

そういえば、20年以上前にはじめてのぞかせてもらったときは、「二百十日のお祭り」という説明だった。立春から数えて二百十日はちょうど9月1日ごろ。

 

コトバンクによると二百十日は「二百二十日とともに、台風が来襲する厄日とされ、この日を中心にして風の害を防ぐための風祭(かざまつり)を行う風習があった」という。

 

さらに「八朔(旧暦8月1日)も同じ時期にあたり、二百十日の厄日にそなえて、八朔の日に風祭りをすると伝えていた土地もある」とも。

 

二百十日(にひゃくとおか)とは? 意味や使い方 - コトバンク

 

たしかにこのあたりは八朔のお祭りを9月1日にしているので、書いてあることがだいたいあてはまっている感じがする。風祭のことを「風日(かざび)」と呼ぶ地域もあるらしいので、風火もそんな感じなのかな。

 

毛原もかつては10月が稲刈りだったようなので、風火はちょうど稲穂が出てくる大事な時期だったのだろう。いまはかなり早まって風火がおわるともう稲刈り。早い分、台風のリスクは下がってはいる。

 

ちょうどこの日は毛原で最初の稲刈りが始まっていた。作業はこれから本格化。うちの田んぼは9月半ばぐらいか。神さま、それまでなんとか台風を来させないで下さい。

 

稲穂が色づいた毛原の棚田